Interview

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 子どもにとっても親にとっても、楽しさのなかに発見や学びがある

丸山さゆりさん
飯綱町在住

子どもにとっても親にとっても、楽しさのなかに発見や学びがある

子どもたちの喜びを感じたワークショップの数々
「未来のこどもラボ」の開催は、子どもたちが学校でもらってきたチラシを見て知りました。「おもしろそうなイベントだな」と思ったのですが、私以上に子どもたちがワークショップの開催を心待ちにしていました。数カ月ぶりに母校の校舎に入れるのもうれしかったようです。
ワークショップのなかでも、当時小学3年だった長女は特にプログラミングを楽しみにしていました。まずは私とふたりで参加したのですが、それ以来すっかり気に入って、一人でも行きたいと毎日のように自転車で通っていました。小学6年だった長男もプログラミングを楽しんでいましたが、ほかに、イベント運営のお手伝いをする「ジュニアラボスタッフ」としても友人たちと参加し、みんなで一緒になってイベントを満喫していたようです。子どもたちの喜びが伝わってきました。

私自身は2日間の参加でしたが、初めて見た黒板アートは特に感激しました。また、時間がなくて残念ながら参加できなかったのですが、新聞紙でバッグを作る「『しまんと新聞ばっぐ』をつくろう!」というワークショップにも興味がありました。
周囲のお母さんたちの反応も上々でした。やはり「夏休みに子どもがずっと家にいると大変」と思うお母さんも多いと思いますが、こういうイベントのおかげで夏休みの子どもたちの遊び場ができ、とても助かっていたようです。
巡回バスやキッザニアも!? 母親目線で感じた魅力、今後の期待
交通手段としては、牟礼駅から町内巡回バスが回り、児童館なども経由したので、遠方でなかなか足を運べない子どもたちが参加できたのもよかったと思っています。また、通常、イベントは1~2日開催のものが多いのに対し、9日間の開催だったので、行きたい時に行ける魅力もありました。それに、玄関口には牟礼西小学校の卒業生や教職員、校舎などの古い写真がモニターに映し出されていたので、年配の方々が喜んでいたのも印象的でした。私も住んでいる中宿地区の集落創生事業に携わっているのですが、老若男女全員が楽しめる企画の難しさを実感しています。そうしたなかで、地区の文化祭で過去の写真をムービーにして上映したところ、年配の方々に非常に好評でした。やはり古い写真というのは皆さんの心を惹きつけるのだと改めて感じました。
さらに、このイベントだけの「セブンイレブン牟礼西小店」も開店しており、子どもたちが制服を着て店員体験をしていたので、今後は飯綱町にいながらにして、キッザニアのような職業体験ができる企画が増えるとおもしろいと思っています。きっと、こうした体験は子どもたちの心に残るでしょう。そんな体験を通じ、将来の仕事の選択肢が少しでも増えたらいいなとも感じています。
加えて、実際に前回は会場で黒板アートの制作風景が見れたり、自分でも体験できたら、よりおもしろかったなと思います。おもちゃでできた恐竜「トイザウルス」も迫力があって感動しましたが、制作過程を見ることができたら、より興味を引いたのではないでしょうか。2回目の開催となる今年は、画家の越ちひろさんと一緒に子どもたちが絵を描くイベントがあると聞いて楽しみにしています。もちろん、子どもたちは今年も参加する気満々です。
閉校の寂しさを感じるからこそ、考えたい次世代の地域と子どものあり方
今年はツリークライミングなど、飯綱町の自然を生かした学びがあるのも楽しそうだと感じています。体を動かすワークショップは昨年はなかったので、子どもたちも喜ぶのではないでしょうか。なお、西小の近くには小さな川があり、かつては授業中にそこで遊ぶことがありました。今後はこの川の周辺を整備し、川遊び体験をするのもおもしろそうだと思っています。

地域の学校が閉校してしまうことは、やはり寂しさがあります。特に学校に通う世代の子どもがいない家庭は、学校とのつながりが少ないことから、より学校や子どもの存在が遠くなってしまうのではないでしょうか。飯綱町は今、少子化が顕著に進んでおり、今年中学生になった長男の同級生が約80人なのに対し、2歳の次女と同年に生まれた子どもは40人を切りました。だからこそ、小さな子どもを連れていると地域のいろいろな方から声をかけられ、年配の方々が可愛がってくださるありがたさもあります。そのように、子どもと地域の人が交流できる場があったらいいなと感じています。この「未来のこどもラボ」でも地域の方にボランティアスタッフとして参加していただき、みんなで子どもたちを見守ることができたらいいですね。
●丸山さゆりさん
飯綱町出身、中宿地区在住。1978年生まれ。中学1年の長男、小学4年の長女、2歳の次女の3人を子育て中。中宿地区集落創生委員会「未来☆宿40」に携わっている。