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浅岡美祐紀さん

ボランティアやワークショップが子どもたちにとって貴重な体験に

地元貢献のためにUターンし、チラシを見てボランティアに参加
20歳まで飯綱町で暮らし、長野市にある職場に通っていましたが、もっと好きなことを仕事にしようと県外に出ました。そして約4年間、岐阜県で横乗りブランドやスポーツブランドを取り扱う「ムラサキスポーツ」というアパレルショップで販売スタッフとして勤務。しかし24歳になった頃、「大人になってからの長野を楽しんでいないな」と思い、地元に戻ろうと思ったのです。10代の頃は長野のことを全然知らなくて何もないと思っていましたが、いざ県外に出たら、クルマをもってこそ楽しめる“大人の青春”を長野で過ごしていないと感じました。また、25歳という節目の年齢を迎えるにあたって何か地元に貢献したいと思うようになり、2019年4月に飯綱町に戻ってきました。
現在は飯綱町でカットブナシメジの生産・販売を手がける「ミスズライフ」という会社で営業推進の仕事をしています。全国の飲食チェーン店やスーパーマーケットに商品を卸したり、新規開拓として提案営業をする仕事です。そうしたある日、新聞のチラシで「未来のこどもラボ」の開催を知りました。「廃校になった牟礼西小学校でやるんだ、面白そう」だと直感的に感じ、ボランティアの募集をしていたので迷うことなくFAXを送りました。ただでさえふたつの小学校がひとつに合併してしまって寂しい思いがありましたし、きれいな校舎を使わないのはもったいないと思っていたので、町の施設を活用してもらえるのは町民としてはありがたいことで、町も盛り上がります。そうしたイベントが子どもたちにとってよい経験となり、大人になってからも地元に残ってくれることにつながるのかなとも期待を感じました。
ボランティア体験を通じて知ったワークショップの面白さ
ボランティアは「NATURAL ANCHORS(ナチュラルアンカーズ)」という長野市のアウトドアショップのスタッフが教えてくれる、パラコード(パラシュートコード)を使ったホイッスル付きブレスレットを作るワークショップをお手伝いしました。もともと事前に調べて興味をもっていたワークショップだったので、担当になれて「ラッキー」とうれしく思いました。
心がけていたのは、子どもたちにわかりやすい言葉遣いで接し、目線を合わせるためにしゃがんで話したこと。また、一緒に来ているお母さん方にも楽しんでもらえるよう、積極的に話しかけました。驚いたのは、子どもたちの飲み込みの早さです。2本のパラコードを編んで作るので、私はあらかじめ編み方を教わりましたが意外と難しい印象を受けたのに、子どもたちは器用ですぐに覚えて作り上げていました。また、さまざまな色や柄があるたくさんのパラコードの中から2本を選んで作るのですが、子どもたちのセレクトが斬新で、それがまた意外と可愛い組み合わせになるのも楽しかったですし、家族でお揃いのブレスレットを作ったりと、親子や友だち同士で一緒に楽しんで参加できるのも魅力だと感じました。それに今は堅い仕事をしているので、カジュアルな接客も懐かしかったです。
ほかにも、姪っ子が会場に遊びに来ていたので、ツリークライミング体験やセブンイレブンの店員体験、プログラミングに付いていったりとイベント自体を楽しみました。「しまんと新聞ばっぐ」のワークショップは新聞紙とは思えないほど丈夫なバッグになって驚きましたし、移動販売のりんごジュースもおいしかったです。そうしたなかで私がワークショップのアイデアを出すとしたら、木が好きなので木材を使ったワークショップや、最近ハマっている色鮮やかなタイルを使った写真立て作りなど、簡単なものづくりであれば自分でもできそうだと思いました。
子どもたちにとって貴重な体験ができるイベントの魅力
また、ボランティアには小・中学生が多く参加していたことが意外でした。高校生になるとアルバイトができるようになりますが、小・中学生は働く体験ができませんし、特に中学生は知らない人と接する機会がなかなかないので、きっとどのように声をかけていいのかわからないところもあったと思います。それでも、みんな一生懸命参加者に説明していて、彼らのためにも貴重な体験になるイベントだと感じました。それに、イベントにしかない出会いもあるので、若いうちにこうしたイベントに多く参加してほしいと思いました。
参加者のほうは町外からも多くの人が来ていましたが、イベントを通じて子どもたちに有意義な経験をしてもらい、かつ飯綱町自体も知っていただくよい機会になったと思っています。一方で意外と町民の参加が少なかったので、せっかく廃校になった学校に多くの人が来てくれるチャンスとして、ぜひ町民にももっと参加してほしいと思いました。さらにお母さんたちの口コミの効果は抜群なので、お母さん方にももっと来ていただけたらと思います。
また、個人的にはわずかながらではありましたが、ボランティアに参加していた子どもたちと話せたのもよかったです。社会人になるとなかなか小・中学生とふれあう機会がないなかで、未来が広がっている子どもたちとの会話は刺激がありましたし、小さい子どもは可愛くて癒されました。
知らない場所に行くことは勇気がいることですが、一度参加すると雰囲気がわかりますし、大人になると余計に行ったことがない場所に飛び込む行動が難しくなってしまいます。小・中学生にはぜひ積極的にこうした体験をしてほしいと思っています。
●浅岡美祐紀さん
飯綱町坂上地区出身。1994年生まれ。岐阜県にあるムラサキスポーツイオンモール各務原店での約4年間の勤務を経て、2019年に飯綱町にUターン。飯綱町にある株式会社ミスズライフ勤務。